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「アイ・エイ・アイ」:IAI

「サントリー美術館」

東京都港区赤坂9丁目・東京ミッドタウン内
「東京ミッドタウン」21世紀の日本を代表する街、世界に類を見ない独創的な街が誕生しました。


Washi : The timeless beauty of Japanese paper

(うるわ)しの和紙天平の昔から未来へ―」展


日本の風土、日本人の生活に密着した和紙。多彩な表現の中に和紙の歴史と美を見る。

長い時代、和紙は文字や絵を現わす素材として重要な役割を担うとともに、そのしなやかで丈夫な特性から多様なすがたに加工されて、暮らしの隅々にまで深く浸透して用いられてきました。この和紙を育み表現に用いてきた歴史からは、自ずと日本人の美意識が感じられるとともに、日本人の暮らしにおける和紙には用と美の調和をみることができます。



会期: 2009 9/19(土)〜11/3(火・祝) 展覧会は終了しました。
※作品保護のため会期中、展示替えがあります。
※各作品の展示については、美術館にお問合せください。
開館時間:{日・月・祝日} 10時〜18時 {水〜土} 10時〜20時
※いずれも最終入館は閉館30分前まで
※ただし、10月11日(日)、11月2日(月)は20時まで開館
休館日:毎週火曜日 (11月3日は開館)


画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

《造り花》

和紙
《造り花》


千年以上の年月を超えても和紙の凛として美しいすがたは我々に感銘を与えます。

和紙に替わる素材が多く活用される現代において、改めて素材としての和紙を見つめ直し、その魅力をご紹介します。

【展示構成】

・第一章 和紙の成り立ちと展開
大陸より伝来した紙とその製法をもとに、日本の野山に自生する楮や雁皮などを用い、手漉きの技法で一枚一枚大切に和紙が作り出されてきました。それは国家整備や仏教を広めることが重要視された時代に重なり、行政や写経を目的に多くの紙が求められました。日本各地で和紙が作り出され、特に写経は荘厳のために紙を美しく飾る技法が考え出され、手漉きの素朴な和紙から展開して豊かな表現が拡がります。
・第二章 祈りの造形
神社などで見られる「御幣」や「紙垂」は直線的に祈りや切り込みを入れた造形で、のちにこの造形が折形や祈り紙に展開したといわれています。また、天平の昔より、自然染料で染めた和紙を立体的な造り花にして、神仏に捧げてきました。折り畳むなど、手を加えることにも耐える強くしなやかな和紙の特質が活かされて、日本人独自の造形感覚が発揮されてきたといえます。
・第三章 和紙の伝統を繋ぐ人々
中世より近世へと時代を経るごとに、和紙の種類は多様化し、また広い階層に浸透して用いられるようになります。手漉き和紙の職人をはじめ、経師、表具師、扇師、傘師など多くの職人が活躍します。そして、和紙は目まぐるしく消費され消えていきました。和紙見本の集成資料は、その当時の和紙の傾向や特質を伝えており、貴重な財産となっています。
・第四章 暮らしを彩る和紙の世界
日本の気候風土に育まれた和紙は、暮らしに深く根付いて様々なかたちで用いられてきました。襖や障子に屏風など住まいの間仕切りや、提灯や行灯、紙袋や紙布、扇子や団扇など、和紙の特質を活かした先人達の知恵には、和紙の新たな活用を示唆するものが秘められていると思われます。和紙の特質は今後の活用の可能性を秘めていることを、作品を通してご覧いただきます。


第一章 和紙の成り立ちと展開
第一章
和紙の成り立ちと展開
第二章 祈りの造形
第二章
祈りの造形
第三章 和紙の伝統を繋ぐ人々
第三章
和紙の伝統を繋ぐ人々
第四章 暮らしを彩る和紙の世界
第四章
暮らしを彩る和紙の世界

重要文化財
貫之集下断簡(石山切)
藤原定信筆 
平安時代
和泉市久保惣記念美術館蔵

国宝
紅帖紙(古神宝類より)
室町時代
熊野速玉大社蔵


草花模様紙衣衣装
江戸時代
個人蔵


和紙のはじまり       湯山 賢一 (奈良国立博物館館長)

……製紙技術は大陸や朝鮮半島を経由して我国に伝わったが、文献上には推古天皇18年(610)3月、高句麗王の遣した僧曇徴が絵具と紙及び墨を伝えたとの『日本書紀』の記述を初見とする。しかし、一般的には、これより以前に製紙技術の伝来がなされ、曇徴は当時の最新の技術を伝えたものと考えられている。
日本における製紙技術の発展は、律令制との関係をぬきにして語ることができない。7世紀に隋・唐の制度を手本に、律令制を基本とする中央集権国家として成立した当時の律令国家には、その制度の円滑な運営に当たり、膨大な量の行政文書を作成するための文書料紙の安定的供給が大前提であった。それには、公文書料紙となる和紙の生産が、中央のみならず、全国的規模において確保されていなければならなかったのである。この様に考えれば、天智天皇7年(668)完成の近江令や、天武天皇10年(681)の飛鳥浄御原律令の時代には、60余州において公的な製紙工房が設けられていたであろうことが推測できる。……


会期中のエデュケーション・プログラム
B・日本文化の伝承プログラム
特別講座A 「和紙を学ぼう!〜ふすまのひみつ〜」(親子向け)
日時:2009年10月17日(土) 14:00〜16:00 応募締切:10月3日(土)
講 師:鈴木源吾氏(江戸表具伝統工芸士)
対象:小学4年生以上の親子
定 員:24組48名
参加料:1組1,000円(入館料別途)

特別講座B 「和紙の染め色」(一般向け)
日時:2009年10月18日(日) 14:00〜16:00 応募締切:10月4日(日)
講 師:吉岡幸雄氏(染織史家)
対象:一般 定員:48名
参加料 :1,000円(入館料別途)
以上の詳細応募方法または、お申し込みについては、サントリー美術館公式サイト http://suntory.jp/SMA/
または Tel: 03-3479-8600 にて、お問合せください。

C・スライドレクチャー
(申し込み不要/参加料無料・入館料別途/定員80名/約30分)
T 見どころトーク
[学芸員による展覧会の見どころ紹介]
2009年10月10日(土) 11時30分〜/15時30分〜の2回
U フレンドリートーク
[子どもから大人まで楽しめるやさしい展示解説]
2009年10月11日(日) 11:30〜/15時30分〜の2回

主催:サントリー美術館、朝日新聞社
協力:三和プリンティング


※写真撮影は全て、主催者の許可を得て行っております。


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yashio@mui.biglobe.ne.jp


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